経営者になって28年。良くも悪くもいろんなことを経験してきました。
数万円の仕入れができない苦しい時期。50名以上の従業員と社員旅行に行った経験。あっという間に数千万円の損失を出したこともあったし、計算などしなくても気づけば大金を手にいていたときもあります。
いろんな経験を経て思うことは、結局のところ、経営ビジネスには終わりはないわけですから、今やってることは全て途中の出来事ということです。
今が順調でも先のことはわからない。今がダメでも何かがきっかけで上昇することもある。
わからないからこそ、希望を持って未来を目指す。わからないからこそ、理想に向かって今を全力で生きる。ビジョンを持って経営することが、経営者として最も幸せな生き方であると思っています。
とは言っても、事業継続や、ゆとりのある生活をするためには、売上利益といった現実的な数字も必要です。
悩むところはここですよね。理念やビジョンを持って経営することが、本当に利益につながるのか?いつになったら儲かるのか?若い自分には全く理解のできないことでした。
でも、今はその重要性がよく分かります。
そもそもビジネスは1人ではできません。個人事業であっても他人の力は必要なのです。何かに困った時、想像以上に売れて対応が難しくなってきた時、新しいステージに向かって準備をする時。
他人の力があってこそ、一つ一つの課題をクリアすることができる。
他人の力はお金で買うこともできますが、お金だけのつながりだとお金がなければ何もできないということになります。廃業した時、それをリアルに感じました。
元々自分には夢があった。でも途中からビジョンも理念を見失ってしまった。みんなをワクワクさせることなど考えもしなかった。
ついてくる人は、お金をもらえるからついてくるだけ。たぶん優秀な人もたくさんいたと思いますが、そういう人は早い段階で離れていったと思います。
一時はうまくいってました。「5年以内に自社ビルを建てようぜ!」「全員が社長になろう!俺は会長になる!」「地元で一番じゃ小さすぎる。目指すは海外進出だ!」
毎日がそんな話で盛り上がっていたのです。
でも、いつの間にか数字に振り回される経営者になってしまっていた。誰も夢を語らなくなった。前月よりも増えたとか減ったとか、そんな話しかしなくなりました。
僕はみんなのやる気がなくなたっと勘違いしていた。夢を語らなくなったのは自分なのに、相手のせいにした。それが失敗の原因だと思っています。
お客様に対しても考え方は同じです。たしかに客数や売上は重要です。でも、長くお付き合いのできる関係を作ることができなければ、常に新規集客のことばかりを考える必要があります。
想像してみてください。10年後も20年後も新規集客のために一生懸な自分を。
何十年経営しても、新規客がいなければ商売が成り立たない会社だとするなら、自分はこれまでの人生で何を築き上げてきたのか?
20年経ったら僕は70歳です。今日の記事が本当に正しい考えなのであれば、それなりに充実した毎日を送ってるはず。そう信じて今を一生懸命頑張ってます。
経験から思ったことを書いてみました。